設計の考え方

 住宅設計に欠かせないデザインと健康的で快適な住み心地、そしていつまでも愛され続け、朽ち果てることのない家づくり・・・。
 目指すのはパッシブデザインされた家の設計です。
 パッシブデザインは、人・風景・記憶・技術などの継承を約束する建築デザインの力と地域に根ざした温熱環境や生命・財産を守る耐震性能などの基本性能を融合してこそ実現できることだと考えています。
 良い家づくりに「秘策」はありません。デザインのこと、性能のことをしっかり学び、両立させてこそ真の家づくりだと考えています。

パッシブデザイン

 これから設計する家の周りには太陽や風など自然の力があります。せっかく家の周りにはそんな力があるわけですから、利用しない手はありません。このように自然と上手く付き合うことを出来る限り取り入れて快適・健康で省エネを目指す設計をパッシブデザインと言います。
 実際にはどのような家でも自然の力と付き合っているわけですが、自然の力をどこまで上手く利用できるかはパッシブデザインのスキルレベルによって大きく変わります。
 地域の気候を知り、太陽や風、さらに熱の性質を理解し、事前にシミュレーションを行なうことで最適解に近づける家づくりこそが、住んでからわかる満足度の高い設計だと考えています。

敷地を読む

 計画敷地とその周辺環境にはいろいろな顔があります。そこには住まい手や近隣環境が育んできた風景や暮らしの記憶が散りばめられています。まず敷地に立って五感で感じること、そして住まい手と共有することが設計のスタートです。
 また敷地に立つ前には必ず都市計画や関連法についても事前に調べます。その上で周辺環境や街が今後どのように変わっていくのか推測します。現在は燦々と降り注ぐ太陽の陽射しが、突然中高層の建築物に遮られることも想定しておきます。

暮らしを読む

 最も大切なのは、住まい手のご家族からのヒアリングをもとに間取りを考えることです。間取りにはご家族一人ひとりの思いや事情もあれば、家族の繋がりや連続性もあり、それらを利他的にまとめることが大切です。n+LDKという既成概念に囚われず、各々の生活行為や習慣が有機的に繋がる空間を前提にした方が良いからです。
 また同時に10年後、20年後の住まい手の変化も考えておくと、いざという時に有意義です。

日射しと風を読み、シミュレーションする


 日射しは24時間、365日刻々と変化するものですから、四季を通じてその思いを巡らせることが大切です。冬至と夏至を比較するだけでは最適解に近づけません。
 また、地域によってある時期に最も吹きやすい卓越風があります。風は広い道路を渡り、狭い路地でその風速を上げ、敷地やその周囲を通り抜けます。風をどのように設計に取り込んでいくのか、五感で得た敷地の情報をもとに、実際に日射や風のシミュレーションを行ってみます。私たちの経験上、このシミュレーションはかなりの精度で現実に近い技術です。このように設計を可視化することで良い家づくりに近付けます。

断熱・気密について

 住宅の断熱・気密についてはプロの中でもいろいろな意見があります。適切な断熱・気密は住まいにとってとても大切なことなのですが、極端な意見や根拠に欠ける曖昧な議論がこのことを分かりにくくしています。
 簡単にメリットとデメリットを整理しますと、

メリット

① 少ないエネルギーで部屋を暖めることができる
② 家全体の温度差が小さくなる
③ 床・壁・天井の表面温度が安定し、快適な温熱環境ができる

デメリット

① 内部結露のリスクをあげる
② 夏場は室内の熱が逃げ難い

などがあげられます。断熱気密に関しては二律背反しあう側面もあり、とても奥が深い設計施工技術なのです。
 カサボン住環境設計では、一棟一棟の温熱計算を行い、地域や間取り、さらに日常の暮らしに適した断熱・気密性能を提案しています。

 部屋の中にいて自分を取り囲む壁・床・天井が丁度良い温度であることは心地よさを生み出します。暑くも寒くもない20℃前後の表面温度になるのが理想です。それを実現する気持ちが良い住空間は、断熱のノウハウにかかっています。

暖房と冷房について


 暖房にとって大事なことは、何よりも「家自体の性能」と「家の使い方」です。その上で暖房機器を選定するのが良い方法です。電気代が格段に有利な壁掛型のルームエアコン、足下からジンワリと温めてくれる床暖房など方法は様々です。昔ながらのストーブや炬燵を使った冬の過ごし方を選ぶことも間違いではなくなります。
 冷房についても「家自体の性能」と「家の使い方」が大事だということに変わりはありませんが、真夏の強い陽射しをできるだけ入れない建築的工夫が大切です。昼間は日射遮蔽を心掛け、夜間の風を使って翌日に備えて家を十分に冷やすことに重点をおいて窓を計画しましょう。その地域の風の特徴を知ることも大事なことになってきます。
 冷房の冷え方の好き嫌いは、人それぞれなので一括りにお薦めはしませんが、エアコンと扇風機では、電気代に大きな差が生じます。寒さと異なり、暑さには「慣れ」もあるようです。試し方によっては、扇風機だけで夏を凌ぐことも、そんなに無理な話ではありません。あとはエアコンや扇風機を生活習慣に合わせて上手に使うことが大切です。

パッシブ冷暖®について


 パッシブ冷暖®は当社の関係会社で開発した特許登録した暖冷房システムです。
 1台若しくは2台の程度のエアコンで家全体の空調を賄うことができる快適且つ省エネの暖冷房システムです。冬は床輻射暖房として使えますので、一石二鳥の仕組です。
 またカサボン住環境設計で設計する住宅は、パッシブデザインを取り入れていますので相性が良く、理想の暖冷房システムです。
  >>> パッシブ冷暖®

設計・監理について

建物の設計を行ない、行政庁ヘの確認申請の終了までを設計業務、工務店との請負契約のための見積調整から竣工までの現場における確認を監理業務としております。また、下記の計算により、それぞれの業務の合計金額を設計監理料とさせていただいております。

設計監理契約について

設計監理料 =(設計料 = 延床面積 ㎡ × 1.5 万円)+(監理料 = 工務店との請負工事契約金額 × 2 %)

※ 設計料の目安は下表のとおりです。

• 延床面積が100㎡を下回る場合は、100㎡として計算します。

• 工事請負額が2,000万円を下回る場合は、2,000万円として計算します。

• 延床面積、請負金額(増減額を含む)、共に最終決定したもので精算をさせていただきます。

• 申請業務の内容は都度異なりますので、確認申請の書類を作成する費用を含むものとし、審査手数料は実費として後に精算をさせていただきます。またその他の申請については、別途費用を申し受けます。

• 設計料に構造計算料を含みますが、基本的に木造の建物を想定しています。構造、工法により費用が異なりますので、都度ご相談させていただきます。

• リノベーションなど新築の建物以外の場合は、ご相談ください。

設計業務について

・基本設計

敷地のこと、暮らしのスタイルなどについて、調査・聞取りを行ないます。この情報をもとに、家の間取りをご提案いたします。初回のご提案をもとにしてご要望を具体的な家のカタチに仕立て上げるのが、目的です。基本設計にて家の概要が決まりますので、とても大切な段階です。それ故に完了するまでに要する期間を想定するのが難しくもあります。

・実施設計

基本設計で作り上げた内容を、施工・構造・法規など詳細で具体的な数値・条件を検討しながら、図面化していく設計作業です。規模にもよりますが、1.5ヶ月が必要な期間の目安です。途中の段階で内容確認のための打合せを行ないますが、基本設計中に比べてお会いする機会は少なくなります。

・申請作業

実施設計が完了すると工務店に見積を依頼します。見積の作成を待つ間に、確認申請などの着工の許可を得るための手続を行ないます。場合により確認以外の申請も行なうこともあり、必要な期間も行なう申請に伴って変わります。確認申請のみの場合、概ね1ヶ月を要します。これらの申請の審査が完了した時点で、設計業務は終了します。

監理業務について

・見積調整

審査を受けている最中、工務店より提出された見積の内容を確認、査定し、皆様にご報告して方針を模索するのがこの段階です。多くのご要望を詰込んだ実施計画は、当初の予算を超えた見積が提出されることも少なくありません。家づくりがよい建物の完成に結びつくよう最適な解を探ります。

・現場監理

金額の折り合いがつき、工務店との工事請負契約を済ませるといよいよ着工です。随時、図面のとおりに工事が進行しているかどうかを確認するのが工事の監理です。おおよそ6ヶ月前後が工事期間の目安です。

・検査作業

建物の竣工が近づくと、完了検査などの公的な検査の他、皆様による竣工検査を行ないます。これらの検査でピックアップされた項目の修正や、工事途中での変更とそれに伴う増減金額の査定を行い、お引渡しの日を迎えます。基本的にお引渡しが完了した時点で監理業務が終了します。