敷地を読む

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いくつも家を作ってきて思うのは、敷地とその周辺環境は、自分の力ではどうにも変えることができないということ。どうせ変えられないのですから、下手に逆らわない方が得策でしょう。たぶんそれは正解で、いい感じと思う家は、みんな敷地と上手いこと付き合っていることに気づきます。だから建物を描き始める前に敷地を自分の五感で実感することが、なにより重要です。砂浜で貝殻や角の丸まったガラス片を拾い集めるように、更地となった敷地で家づくりのネタを集めると、「ここでしかできない一軒」を想像することができるようになります。

ネタその1/陽射しと風を読む

まずは、自然の条件を読みましょう。陽射しと風は「取込むこと」と「遮ること」の調整を上手く計画するほどに、心地よい室内を作り易くなります。陽射しについては、夏至と冬至の正午、2つの瞬間を比較をするケースをよく見受けますが、実際は24時間365日、刻々と変化するものですから、年間を通したすべての瞬間に対して思いを巡らせなければ、妙に入り、細に入る計画にはなりません。たとえば、朝夕の真横から射し込む陽射しを把握することは、夏も冬も大事なことの1つです。風の特徴を掴むことも同様です。季節毎の大きな風向きと街並を通り抜ける風、その両方に目を向けてください。

ネタその2/眺望を読む

但し、陽射しと風だけを条件に窓の計画をおこなっても、それが同時に視覚の心地よさを生み出すとは限りません。その敷地に昔からある樹、見事に手入れされた隣の庭、階段に座ると見える月。こんな情緒的なことも窓を通して室内に取込むことができるというのは、言わずもがな。しかし、これこそ敷地に立ってみないと知り得ない情報のひとつです。家を建てる前からあるこれらの風景は、時間の積み重ねでできたものこれらを無視して、むやみに建物だけを考えるような計画は視野が狭くなりますから、避けたいものです。

ネタその3/近い将来の周辺の変化を読む

敷地の周辺までも取込む計画であれば、その周辺環境の変化の可能性を見込む必要があります。たとえば、都市計画から眼前の低層の住宅地が突然中高層の集合住宅に変わる可能性を推測することができます。

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