断熱

断熱メインイメージ
いまのご時世、家を作ろうとすれば、一度は断熱のことで立ち止まると思います。いったいどの材料をどのように取付けるのが正解なのか。悩んでみたところで、解決に向かう宛てがあるでもなし。情報はどれもこれも一理ありながら、真しやかにも見え、失敗したくないという思いと共に、楽しい家づくりは急にややこしいものに変わってしまいます。
と、ここまで読んで共感をいただいた方は「断熱材」という言葉に足を取られていることに気付いてください。断熱材は、断熱という技術を駆使するための手段です。もちろん重要な材料ですから、おざなりにすることはできませんが、目的を達成することができれば手段である断熱材に唯一の製品はありません。本当に大事なことは、断熱の目的を知ることです。

断熱の目的 その1/壁や天井、床の表面温度をできるだけ室温に近づけること

自分を取囲む壁・床・天井が、ちょうどいい温度であることは心地よさを生み出します。さらに良いことに、気温自体をそれほど高くする必要が無くなります。どういうことかというと、私たちが暑くも寒くもないと感じるのは20℃前後の気温。これは5月・10月頃の気候で、いい気持ちに感じることができます。でも暖房の設定で20℃となると、それは低いと思うのではないでしょうか?自分を取囲むものの温度による影響がここに現れています。壁・床・天井の温度が低い温度になってしまうと、もっと気温を高くしないと心地よいと感じることができません。気温を上げた割に、壁に近づくと寒さを感じたり、床に触れている足が冷たかったりと不快なことがいくつも現れます。断熱性能を向上させると屋外の寒さの影響を受けにくくなり、壁・床・天井の表面温度を高く保ち、ことができるようになるのです。

人と気温の関係図

断熱の目的 その2/快適さを保つためのエネルギー消費をできるだけ小さくすること

屋外の寒さの影響を受けにくくなるということは、暖房で作った熱が室内に貯まりやすいということでもあります。少ない暖房で済む=省エネとなるわけです。省エネとくれば、再生可能エネルギーで電気を作ることなどを考えがちですが、エネルギーを使わずに済ませるというのも有効なエコロジー対策です。発電設備という投資がないので、コストパフォーマンスはダントツです。

 

 

断熱性能を向上させることの利点を挙げましたが、良いことには、必ず悪いことも付きまとうもの。断熱の利点を知ったら同時に注意するべきことを知っておくべきです。断熱で迷わないようにするためには、とても大事なことです。

注意すること その1/結露

壁体内結露の問題は、断熱材を使うことで起こるようになった問題です。もっとも注意すべき内容ですから、設計者や施工者が説明書の通りにやればOKというレベレは危険です。水分の移動についての原理を知っていることが、とにもかくにも基本です。断熱材を用いない家ならばいいのですが、いまやその暮らしには戻ることはできませんよね。

注意すること その2/Q値=総合点

かい摘んで言えば、建物から屋外への熱の逃げやすさを表す指標です。家の断熱性能を比較するためには便利なデータです。でもその便利さが落とし穴。もう少し詳しく理解しておかないと、心地よさには結びつきません。なぜならQ値は、壁・屋根・基礎・窓・換気などの各部分の断熱性能の総合点だからです。各部分の性能のバランスが悪くても、性能の高い部分が、性能の低い部分を隠してしまいます。Q値だけに目を取られていると、リビングの断熱性能が低くても、気付くことはありません。

 

 

最適解は、その家と周辺環境の条件次第で異なりますから、ここではあまり深く掘り下げることは止めておきましょう。ひとつ共通することは、断熱に対するちゃんとしたスキルが設計と施工の両方に必要だということです。

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